S0512BC

S0512BCのアウトライン


正に企画中だったその時、偶然にもVisitor's Noteに書き込まれた質問に応える形で存在が発覚し、2000年と共に発表する予定だったにもかかわらずかなり早い時期からWebSite上に登場していた0512BC。
SAMUARI JEANSとしてバックポケットにステッチが入った最初のモデルだけに、もう少しもったいぶって見せる計画だったのに…。
左の写真からわかるように裾のフレア(ふくらみ、あるいは広がり方)は、ブーツカットとして標準的。それだけに穿きこなしも工夫次第で様々なシーンに使えるのでは?という考え方。もう少し広くても…という声も聞こえそうだが実際に着用すると膝のあたりから足首付近までにブーツカット独特のシルエットが十二分に見られる。裾の切り方にもよるが、足が長く見え、スタイルに安定感が出るというメリットを持つブーツカット。カカトの高いブーツを用意頂いて出来るだけ長めのレングスで使っていただくともっとカッコイイのではないかと、一同そんな期待も抱いているのですが…。

サイズラインナップはウェスト27 ,28, 29, 30, 31, 32とレングス34インチの組み合わせで6種類。すべて同じ14オンスデニム生地を使用して価格は17800円(現在、生産終了)。
ごく初期ロットにはウェスト34インチモデルも存在した。
S0512BCのスペック

パッチ
例によって2人のサムライがモチーフとなっているのだが、その背景にある太陽に黒い影が入っている。SAMURAI事務所内で「日食パッチ」と呼ばれているタイプで、日食具合でモデルやロットを表そうとする新しい試み。
このアイデアは以前から持ち上がっていたのだが、なかなか実現しなかった。制作部が忙しすぎたのも原因だが、そんな忙しさの中でミスの発生する危険も高そうというのが理由のひとつ。だから今回の採用は「これっきり」の可能性大の実験的なプリントでもある。
余談をひとつ。
この背景にある「丸」は日食と呼んではいるものの、実は太陽とも月とも決まっていない。オーナーになった方の好みで「日食」「月食」お好きな呼び方をして下さい。

シーガルステッチ
「カモメに似ている」と、ただそれだけの理由で「カモメステッチ」などと呼ばれていたものが公開に際してチョットかっこ良く呼ぼうと「シーガルステッチ」になったという顛末は、実は関係者のみの知る、しかし忘れたい実話。便宜上の一時的な命名だったのにすっかり定着してしまった。
「せっかくだからSAMURAI WebSiteで名前を公募しましょう」なんて言っていたあの頃がなつかしい。ついでのお話ですが「サムジー」という愛称も実はファンの方の命名なのです。
ま、命名の「いわれ」も時間と共に深みを増すのでしょう。などと期待をしたりしているのですが、左の写真の通り確かに「カモメ」のようなステッチラインは浅い黄色の糸を使用。オシリ一帯の色落ちに伴ってもう少し黄色が浅くなります。この時「しっかり」判別できるラインを見せるか、それとも糸と生地が溶け合い、縫いこまれた糸の周囲にインディゴが残って「青カモメ」はカッコ悪いのでひとまず支配人の愛車にちなんで「ブルーバード」と。になれるのかはオーナー次第といったところでしょうか。
「カモメ」の胴体にあたる部分はホツレを予防する意味もあってカンヌキ留めを採用。当初この部分はシンプルに糸目を走らせていただけだったのですが、なにぶんSAMURAIでも初めて「バックポケットにつけるステッチ」だったので1工程増えるのを覚悟で丈夫なカンヌキにしたのです。
おかげでますます「カモメ」になっちゃって…。

フロントジパー
S0512BCのフロントはZIPフライ。
ジッパーによって前立て部分の開閉を行う。ジッパーかボタンかは意見と好みの大きく分かれるトコロだが、機能と使い勝手を見る限り、やはり「慣れ」の必要ないZIPフライに軍配は上がってしまう。何より「楽楽ワンタッチ」感覚は捨てがたいのだが、故障や破損に対しては交換かあきらめるかしかない。つまり故障したその場では「処置なし」状態となるわけであるが、これに対する最善の策は「壊れにくい事」の一言に尽きる。
さて、最もシンプルな解決法ほど難しいものは無いのだが、この方法に対するSMURAIの解答がTALONの採用だった。
「だった」と過去形に終わってしまっているのは、このブランドが吸収という憂き目に遭い、その個性を薄れさせつつあることから、2000年9月以降のモデルからユニバーサル社製ジッパーに切り替えたのです。TALONとは世界で初めてジッパーを開発したメーカーで、伝統と歴史はSAMURAIのこだわる性格にピッタリだったのですが、これも時代です。
さて、先にも述べた通り0512BCのファスナーはユニバーサル製品。実は日本のファスナーメーカーの技術が反映されているここの製品は、TALONのように「これでもか」というほどの無骨さは持たないものの、品質は折り紙つき。

コインポケット
S0512BCのコインポケットで目立つのが右側(写真ではポケット左側)のステッチライン。コインポケットの上端部を越えてウェスト部とのちょうど中間まで伸びている。これはビンテージモデルに見られるディテールを忠実に再現したもので、デザイン上のアクセントと共に、当然だが補強の意味も兼ねている。
このようにアップにすると気付かれると思うのですが、今回0512BCでメインに使われている糸は「オレンジ系」。ブーツカットの引き締まって見えるシルエットを、スソのフレアを大きくしないまま更に引き締めて見せようとした企みのひとつ。右の写真の中でも「イエロー系」はパーツ上か、その固定用にしか使われていない。